生徒部長 保健体育科教諭
安本 芳朗
―ある時は喜び、ある時は苦しみ、挫折し、しかし私達の6年間あるいは3年間は、確実に「青春」そのものでありました。自由な、そしておおらかな校風の中で、私達が若さに酔いしれ、乱舞し、青春を謳歌することができた事は、校長先生をはじめとする諸先生方のおかげでもあります。私達は、いま、心から「修道へ来てよかった」と思っています。―
これは、50年前の卒業生代表の言葉です。生徒部は生徒の登校から校内での過ごし方、また放課後の班活動、そして下校まで、生徒の丸一日を見守ることになります。すなわち、生徒の青春の謳歌を支える役割を担っています。
卒業生の言葉を続けます。
―修道生であったことに誇りを持ち、誰に聞かれても「修道は素晴らしい学校です」と答えたいと思います。それは、この修道学園が世間で進学校と称されているからでは決してなく、私達が最も愛することのできる学校であるからです。数百年の伝統を持つ我が母校。自由な校風の我が母校。愛すべき我が母校。新時代に向かって発展しようとしている我が母校。学園が一層躍進することを私達はみな信じております。私達はいま、本当に心の底からこう言います。「修道へ来てよかった」と。―
50年前に語られたこの言葉、その中でも「修道へ来てよかった」という思い。これは日々を過ごす中で育まれたものです。その思いを全員が口にしなくとも胸には抱き、それぞれの選んだ道へ進んでいった。それが積み重なり300年が経ちました。それをいま振り返り、伝統と呼んでいるのです。改めて思います。伝統とは生徒一人ひとりの日常の積み重ねでしかないのだと。この文章に目を留めていただいた方はもしかすると、過去に伝統を紡いだ一人なのかもしれません。また、別の方はこれから伝統を紡いでいく一人なのかもしれません。修道では、脈々と続く大きな時の流れを意識することができる。人生の土台を築くことができる。私はそう信じています。