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2023年2月16日

修道高等学校 入学試験結果概要

◆受検者数・合格者数・合格者平均点・合格最低点(過去5年間)

 

2023年度 2022年度 2021年度 2020年度 2019年度

募集定員

約16名 約12名 約15名 約13名 約15名

志願者数

10名 16名 16名 18名 23名

受検者数

8名 10名 9名 10名 13名

合格者数

8名 7名 7名 8名 8名

合格者平均点

185.4 183.3 192.6 184.5 198.6

合格最低点

168 162 174 154 172

◆適性検査科目・時間・配点・受検者平均点・最高点(昨年度比較)

科目

国語

英語

数学

総点

時間(分)

60

60

60

配   点

100

100

100

300

2023年度平均 59.1 64.9 61.4 185.4
2023年度最高 72 74 76 201
2022年度平均 63.3 38.4 57.0 158.7
2022年度最高 80 68 76 213

【2023年度入試に関して】

◆入試結果について

今年度の受検者平均点は、昨年度と比べて総点で30点近く上がりました。各教科の問題の難易度は、国語が昨年より難化、英語と数学が昨年度より易化したようです。合格最低点は約5点あがりました。

◆志願者数について

10名が出願してくださいました。県外からの志願者も複数名いらっしゃいました。

◆合格者数について

合格者は8名で、昨年度より1名増えました。本校の中高一貫カリキュラムに対応できる学力を有すると判断したみなさんを合格といたしました。今後も、4月からの高校生活に備え、日々の学習に励んでください。
また、次年度以降、本校の受検をめざす中学生のみなさんは、以下に述べる各教科の講評も参考にし、真の学力を高めていきましょう。

◆各科目の詳細について

【国語】

1 今年度の問題の難易度あるいは特徴的な問題の傾向・出題のねらいなど

第一問【漢字の書き取りと語句】
語彙力を問う問題でした。基本的な「書き取り・よみ」および標準的な語彙力について出題しました。

第二問【評論】
「自己のあり方」と「他者評価」について「友人関係」および「外見至上主義」の観点から述べている文章です。筆者が「消費社会」による「虚飾の自己」よりも「ありのままの自己」を肯定していることが読み取れているかどうかが重要です。

第三問【小説】
長めの文章である分、全体の流れをつかめれば比較的解答しやすい問題でした。主人公と「ジュリア」の共通点、「ジュリア」と「ジュリアの母」の対立構造、「ジュリアの母の愛」と「主人公の母の愛」の共通点を読み取り、適切に整理できるかどうかということを主眼においた出題です。

2 採点上の気づき・受検生のみなさんの解答の特徴・傾向など

第一問について
おおむね良好な出来でした。

第二問について
問4における「みんなより優れようとする気持ちが、逆に個性を奪う」という「逆説」の解答作成に苦戦している答案が多く見られました。

第三問について
登場人物の心情や、場面ごとの心情変化についてのポイントをおおむね押さえている解答が多かったです。質問に対する解答とは異なる部分に重点を置いてしまい、肝心な部分の説明が不足してしまう解答が散見されました。

3 来年度以降本校を受検する生徒のみなさんへの要望・合否のカギなど
漢字の書き取りについては、平成28年の文化庁「文化審議会国語分科会報告」による『常用漢字表の字体・字形に関する指針』に準拠して採点をしています。受検の際に特に気をつけてほしいのは「字形」と「画数」についてです。前述の指針においても「骨組みとしての字体が認知可能であること」が重要視されています。書き取りに際しては、線と線が重なってしまったり、字をつなげてしまったりした結果「骨組みとしての字体」が崩れてしまわないように細心の注意を払ってほしいと思います。
スマートフォンやSNS、動画共有サービスの拡充に伴い、「人生を豊かにする情報」ではなく「瞬間的な自己の欲望を充足する情報」ばかりに執着する人が増加しています。人間が1日に処理できる情報には限りがあるので、そのような生活が習慣化すると、国語に限らずあらゆる教科の基礎学力が大きく低下する危険性があります。一番の解決策は、「読書」です。それが難しい場合は中1~中3までの「国語の教科書」に掲載されている作品は「タイトルを見ただけで概要が説明できる」程度になっておくことを強くおすすめします。

4 著作物の利用
瀧羽 麻子(たきわ・あさこ)『博士の長靴』ポプラ社
小川 仁志(おがわ・ひとし)『中高生のための哲学入門―「大人」になる君へ―』ミネルヴァ書房
岩井 圭也(いわい・けいや)『生者のポエトリー』集英社

【英語】

1 今年度の問題の難易度あるいは特徴的な問題の傾向・出題のねらいなど
問1は英語学習に関するエッセイで、作者の言いたいことを読み取るのは比較的容易な問題でした。問2は物語文でしたが、問題文に書かれた場面設定をよく理解していないと話の流れがつかみにくいと思われます。問3は誤文訂正で、基本的な文法の知識があれば答えられる問題でした。問4、問5はそれぞれ並べ換えと和文英訳ですが、いずれも基本的な英作文の力があれば答えられる問題です。問6の自由英作文は、グラフをもとに会話の流れに合わせて英文を作る問題で、グラフの傾向を読み取り、それを平易な英文で表現する必要があり、やや難しい問題でした。

2 採点上の気づき・受検生のみなさんの解答の特徴・傾向など
全体的によくできていました。ただ、緊張のせいか、単純な単語の写し間違いがいくつかありました。落ち着いてしっかり見直しをしてほしいと思います。長文問題では、きちんと話の流れを把握して読むことができていました。また、文法問題でもほとんどミスなくできていましたので、基礎的な力は十分についているようです。最後の自由英作文でも、ミスはあまりありませんでしたが、語数が少ない受検生が多かったようです。

3 来年度以降本校を受検する生徒のみなさんへの要望・合否のカギなど
長文読解の鍵は、語彙力と文法の知識、そして文章の流れをつかむ力です。こうした力を培うために、日頃から多くの英文をていねいに読んでおいてください。英作文については、教科書にある基本例文をしっかり練習してください。また、自由英作文については、平易な英文で自分の考えを伝える練習を日頃から行っておくとよいでしょう。

4 著作物の利用
Rebecca Milner, Jon’s Chopsticks, ガイコク人ニッポン体験記, IBCパブリッシング, 2012, pp.24-28
William Shakespeare, Retold by Pieter Koster, The Merchant of Venice, Compass Publishing, 2009, pp.32-34
内閣府, 子供・若者白書 令和4年度版, 日経印刷, 2022

【数学】

1 今年度の問題の難易度あるいは特徴的な問題の傾向・出題のねらいなど
基本問題と応用力が必要な問題をバランスをとって出題しています。今年度の平均点は61.4点で昨年度の57.0点より上がりましたが、昨年度とほぼ同程度の難易度でした。大問1は、中学校の学習内容の理解度と計算力をみる小問集合です。大問2は会話形式での紙を折る図形問題、大問3は計量を絡めた立体図形の問題、大問4は2乗に比例する関数の問題、大問5は比較的易しめの証明を含めた図形問題で、例年と同様の問題傾向で出題し、幅広くかつ深く学習しているかを試しています。

2 採点上の気づき・受検生のみなさんの解答の特徴・傾向など
大問1(1)などをはじめ、計算ミスでの失点が見受けられましたが、今年度は得点の散らばりが小さく、それぞれの受検生がよく頑張っていた印象でした。また、大問2~大問5では、個々の得意・不得意が明確に表れており、計算力が得点の鍵を握っていたと言えます。 証明は、比較的易しめであったこともありますが、 よく書けていました。

3 来年度以降本校を受検する生徒のみなさんへの要望・合否のカギなど
数学の実力向上には、正確で迅速な計算力が鍵です。中学3年生では、式展開、因数分解や無理数を学びますが、日常の学習で、一定の形をした式に対しどのような変形や計算が可能であるかを事前に考え、それを素早く正確に実行できるように訓練することを心がけてください。計算力は、一朝一夕には身に付きません。また、学校の定期テスト対策で終わらず、高校入試レベルの演習も行ってください。入試では、複数分野にわたる融合問題の出題が多いのですが、それによって数学の総合的な力を試しています。そのような入試問題の演習でも計算力は鍛えられますので、こつこつと取り組んでください。

以上