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2024年2月14日

修道高等学校 入学試験結果概要

◆受検者数・合格者数・合格者平均点・合格最低点(過去5年間)

 

2024年度 2023年度 2022年度 2021年度 2020年度

募集定員

約17名 約16名 約12名 約15名 約13名

志願者数

19名 10名 16名 16名 18名

受検者数

16名 8名 10名 9名 10名

合格者数

12名 8名 7名 7名 8名

合格者平均点

205.6 185.4 183.3 192.6 184.5

合格最低点

175 168 162 174 154

◆適性検査科目・時間・配点・受検者平均点・最高点(昨年度比較)

科目

国語

英語

数学

総点

時間(分)

60

60

60

配   点

100

100

100

300

2024年度平均 63.6 59.3 64.6 187.5
2024年度最高 81 87 93 242
2023年度平均 59.1 64.9 61.4 185.4
2023年度最高 72 74 76 201

【2024年度入試に関して】

◆入試結果について

今年度の受検者平均点は、昨年度と比べて微増となりました。各教科の問題の難易度は、英語が昨年より難化、国語と数学が昨年度より易化したようです。合格最低点は若干あがりました。

◆志願者数について

19名が出願してくださいました。県外からの志願者も複数名いらっしゃいました。

◆合格者数について

合格者は12名で、昨年度より4名増えました。本校の中高一貫カリキュラムに対応できる学力を有すると判断したみなさんを合格といたしました。今後も、4月からの高校生活に備え、日々の学習に励んでください。
また、次年度以降、本校の受検をめざす中学生のみなさんは、以下に述べる各教科の講評も参考にし、真の学力を高めていきましょう。

◆各科目の詳細について

【国語】

1 今年度の問題の難易度あるいは特徴的な問題の傾向・出題のねらいなど

難易度=標準

第一問【小説】(やや易しい)

■記号問題

語彙問題(易しい)
読解問題(やや易しい)

■記述問題

問四(やや難しい)
問六(標準)

第二問【評論】(やや難しい)

■記号問題

問三(やや難しい)

■抜き出し問題

問二(やや難しい)

■記述問題

問一(標準)
問四(標準)
問五(難しい)

2 採点上の気づき・受検生のみなさんの解答の特徴・傾向など

■総評
全般について言えば、修道高校の受検に向けて対策を綿密に講じてきた受検生が多かったという印象の解答でした。解答用紙の全ての欄を過不足なく埋めている答案ばかりで、受検に向けて頑張ってきたのだと感じました。

■第一問(小説)
問四の記述に関しては、ごくわずかに題意に沿っていない解答が見られましたが、ほとんどの受検生は解答の要素をよくまとめていました。問六の記述に関しては、全ての受検生が「心情的な語」を明記しており、「動機や目的意識」をうまくまとめられたか否かで得点差がつきましたが、全体的によくできていました。

■第二問(評論)
問一の記述については内容は理解しているものの解答の仕方でややずれたものとなってしまう惜しい答案(例えば「正義ではない理由」について問うているのに「~すれば正義である」というような解答をしているもの)が散見されました。全体的な出来は良かったです。問二の抜き出しについては、誤答の多くが「指定の言葉につながらない抜き出し」となっていました。問四の記述は「ケイパビリディ」を解答に盛り込むことが重要ですが、直後の具体例を単純に圧縮していてケイパビリティにまで言及できている解答が少なかったです。問五については、「条件」⇒「結論」となるべきところの「条件」を明記していない解答が多く見られました。また、本文の例をそのまま解答に用いるなど、抽象化・一般化のできていない解答も散見されました。受検生にはやや難しく感じられたかもしれません。

3 来年度以降本校を受検する生徒のみなさんへの要望・合否のカギなど
まずは「記述問題では、設問の意図を正確につかみ、それに沿った答案を作成すること」が何よりも大切です。「何を問われているのか」を正確に把握せずに、いきなり書き始めないようにしましょう。また、記述解答作成時には、「書いている最中に解答要件から文意がずれてしまう」ということがありがちです。下書きを書ければベストですが、時間的な制約もありますので、せめて「文末」を先に想定してからそこに落ち着くように書くようにしましょう。
次に「記述問題では、本文をそのまま抜き出すのは極力やめて、自分の言葉でまとめること」が重要です。そのためには、日頃から「国語の授業内容」「他教科の授業内容」「ニュース」「日々の会話」などを「自分の言葉でまとめる」ということが有効です。特に「国語の教科書」や「読書した本」などの要約はおすすめです。

4 著作物の利用
第一問【小説】
天沢 夏月(あまさわ・なつき)『青の刀匠』ポプラ社

第二問【評論】
宮口 幸治/神島 裕子(みやぐち・こうじ/かみしま・ゆうこ)『"逆境に克つ力 親ガチャを乗り越える哲学 "』小学館

【英語】

1 今年度の問題の難易度あるいは特徴的な問題の傾向・出題のねらいなど
問1は長めの物語文ですが比較的平易な文で書かれています。会話文が多く主人公の心情や登場人物の関係性なども理解しながら読んでいくことが求められます。問2も物語文ですが、問1よりも若干難しめの文となっています。物語の流れをしっかり理解しなくてはならないので、難度は少し高めです。問3は誤文訂正で、基本的な文法を理解していれば解ける問題です。問4の並べ換えも基本的な文法をきちんと理解していれば難しい問題ではありません。問5の和文英訳は、日本語の表現に引っ張られることなく、中学校で習った知識をしっかり使いこなせれば解ける問題です。問6の自由英作文は、テーマが大きいため書きにくいと思われますが、身近な事柄に結びつけて平易な英語で表現することが求められます。

2 採点上の気づき・受検生のみなさんの解答の特徴・傾向など
問1は比較的よくできていました。問2は、文章の難度が高いこともあってか、物語の流れを理解できていないと思われる答案が多く見られました。問3は予想よりも出来が良くなく、基本的な文法知識が身についていない受検生が多く見られました。問4の並べ換えは比較的よくできていました。問5の和文英訳は、日本語を平易な英語で表現しようという姿勢は感じられましたが、細かい文法事項のミスが目立ちました。問6の自由英作文でも文法事項のミスや語彙力不足が多く見られましたが、文章構成についてはよくできていました。

3 来年度以降本校を受検する生徒のみなさんへの要望・合否のカギなど
日頃から多くの英文に接しておくことが、英文読解力向上の鍵となります。教科書の英文をきちんと読みこなすことができたら、易しい英語で書かれた物語などを読むことをおすすめします。また、英作文力を向上させるためには、語彙力を高め、文法を意識しながらたくさん英文を書いて練習する必要があります。日頃から自分の考えを、文章構成を意識しながら平易な英語で書いてみるとよいでしょう。また、自分の書いた英文を読み直して、読み手にきちんと伝わるかどうか確認することも大切です。

4 著作物の利用
R.J.Palacio, Wonder, Penguin Readers, 2019
ちょっといい話制作委員会編, His Father's Eyes, 英語でちょっといい話ベストセレクション, アルク, 2021

【数学】

1 今年度の問題の難易度あるいは特徴的な問題の傾向・出題のねらいなど
基本問題と応用問題のバランスをとりながら出題しています。今年度の平均点は64.6点で昨年度の61.4点より上がりましたが、昨年度とほぼ同程度の難易度と判断しています。大問1は、中学校の学習内容の理解度と計算力をみる小問集合です。大問2は数え上げの問題で文意を正しく把握することが大切な問題、大問3は平面図形の証明と計量の問題、大問4は2次関数と2次方程式の問題、大問5は体積計算を含む立体図形の問題です。例年と同様の傾向の問題で出題しており、幅広くかつ深く学習しているかを試しています。

2 採点上の気づき・受検生のみなさんの解答の特徴・傾向など
大問1は特定の難しい問題はなく、それぞれが別々の問題で勘違いや計算ミスで失点していました。大問2ではちょっとした数え上げの工夫や読解力で差がついていました。大問3の証明は、ほとんどの受験生がほぼ正解で、たいへんよく書けていました。その他の問題では、計算力で差がついたように思います。昨年度に比べ、得点の散らばりは大きくなりましたが、総じてよくできていたように感じています。

3 来年度以降本校を受検する生徒のみなさんへの要望・合否のカギなど
数学の実力向上は、正確で迅速な計算力が鍵となります。中学3年では、式展開、因数分解や無理数を学びますが、日常の学習で、一定の形をした式に対しどのような変形や計算が可能かを事前に考え、それを素早く正確に実行できるように訓練することを心がけてください。計算力は、一朝一夕には身につきません。また、学校の定期テスト対策で終わらずに、高校入試レベルの演習も行ってください。入試では、複数分野にわたる融合問題が多く出題され、それによって数学の総合的な力を試します。そのような入試問題にも、こつこつと取り組んでください。

以上