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2025年1月26日

修道中学校 入学試験結果概要

【2025年度入試結果概要】

◆受験者数・合格者数(過去5年間)

 

2025年度 2024年度 2023年度 2022年度 2021年度

募集定員

276名 276名 276名 276名 276名

志願者数

848名 884名 895名 872名 873名

受験者数

831名 869名 873名 839名 855名

合格者数

536名 533名 534名 532名 536名

補  欠

60名 72名 75名 86名 84名

※「補欠」については、3段階に分けた順位をお知らせしています。

◆テスト教科・時間・配点・受験者平均点・合格最低点(総点)・合格者平均点(総点)(過去5年間)

教科

国語

社会

理科

算数

総点

時間(分)

50

40

40

50

配   点

125

100

100

125

450

2025平均点 85 51.8 61.6 74.6 273.1
2024平均点 55.7 65.5 51.2 71.5 243.8
2023平均点 90.9 59.9 46.5 79.6 348.2
2022平均点 83.4 52.2 71 74.9 354.6
2021平均点 71.3 58.8 63.9 76.4 351.7

 

合格最低点(総点)

合格者平均点(総点)

2025年度 259点 307.7点
2024年度 230点 279.7点
2023年度 337点 388.1点
2022年度 342点 394.4点
2021年度 340点 390.9点

※2023年度入試まではC.T.の100点を含みます。(合格発表段階の点数)

【2025年度入試に関して】

◆入試結果について

今年度の入試は、昨年と比べて算数、国語、理科の平均点が上がり、社会の平均点が下がりました。近年の傾向ですが、受験生全体の得点に幅が出ているようです。

◆志願者数について

昨年より36名減少し848名の志願者がありました。

◆合格者数について

合格者は536名で、ほぼ昨年どおりです。
このところ成績上位者の入学率が上がってきています。今後とも、一人でも多くの志願者に本校を選んでいただけるように努力していきたいと思っております。

◆補欠者数について

補欠者数は60名です。補欠者には成績により3段階に分けた順位をお知らせしています。今年度入試では、「補欠1位~13位段階」、「補欠20位~36位段階」、「補欠41位~59位段階」の3段階に分けています。
本校では、合格者からの入学予定者数が定員に満たない場合、補欠者を成績順に繰り上げ合格の候補者とし、その中で入学の意志がある方を合格としています。
補欠からの合格者数は年度によって変動があります。2023年度は53名、2024年度は36名が最終的に繰り上げ合格となっています。

◆講評(科目ごと)

*国語

※大問一⑧について

正解は「担任」だったのですが、教室の一部の生徒が廊下に掲示されている「担任」の文字が見える環境にあったため、出題として不適切と判断し、全員正解としました。

・受験生の出来は?

【大問一】の「漢字のよみと書き取り」は非常によくできていました。また、【大問二】の「説明文」もよくできていました。【大問三】の「小説」で苦戦をした受験生が多かったようですが、時間が不足した関係で最後まで問題を解くことができなかったと思われる解答も散見されました。
問題の分量は昨年度並みでしたが、設問の数を少し減らしたので国語の受験対策をしっかりしていた受験生にとっては、ちょうどよかったと思われます。

・問題の難易度・特徴は?

大問一「漢字のよみと書き取り」【易しい】
例年出題している「漢字のよみ」と「漢字の書き取り」の問題でした。全体としての正答率は高く、標準的な漢字の読み書きについてはしっかり学習できていると思われます。
なお、正答率が低かった設問は問③読み「けいてき」、問④書き「絶やさ(ない)」、問⑩書き「専門」でした。

大問二「説明文」【標準】
池谷裕二の「効果的な学習法」の説明文についての問題でした。
「学習に取り組む姿勢として重要なのはわかったつもりにならないこと」を主題とした文章で、ほとんどの受験生が内容を正確に読解できていたと思われます。
今年度の特徴的な問題として問六の記述が挙げられます。こちらは王道とも呼べる「本文の主旨の要約」であり、単なる「本文の抜き出し」ではなく、「的確で簡潔に説明するための語彙力と表現力」を問う問題でした。

大問三「小説」【やや難しい】
原田ひ香の『古本食堂 新装開店』の一部で、前半は「老境を迎える中で自分の恋心に素直に向き合おうと決意する女性」を、後半では「若さゆえに自分の希望を前面に押し出した結果、相手の気持ちを軽んじていたことに気づかされる女性」をというように途中で視点人物が変化する文章で、ほとんどの受験生は内容を読解できていたと思われます。
今年度の特徴的な問題として問六の記述が挙げられます。「視点人物が躊躇する理由」について、本文中の内面描写をまとめる問題となっています。

・採点上の気づき・受験生の解答の特徴は?

大問一「漢字のよみと書き取り」
「専門」は「よく似た漢字をきちんと区別して正確に書けているか」を問うために過去にも何度か出題していますが、予想通り他の問いと比べて正答率が低めでした。

大問二「説明文」
(問一)
ほとんどの受験生が正確に抜き出せていましたが、誤字や脱字が散見されました。
(問二)
「不安にもなる」という心情の理由を問う問題でしたが、「原因・理由」と「結果・心情」の因果関係が明確でない解答が散見されました。
(問三)
筆者の主張について、論の展開をおさえながら読解できているかどうかについてを問う問題でしたが、「35字」という指定字数を守れていない受験生がかなりたくさん見られました。また不適当な解答箇所を無理に「35字」におさめたため、文末が不自然になる解答も散見されました。
(問四)
「百聞は一見にしかず」という語彙の知識を問う問題でしたが、ほとんどの受験生ができていました。
(問五)
筆者が抽象的にまとめている部分を、的確に具体化できているかどうかについて問う問題でしたが、解答欄に言葉を添えることで解答の方向性がぶれている受験生は、ほぼいませんでした。出来としては、「要素を完璧におさえて答案を書き切った受験生」もいたものの、全体としては「頭では理解しているが、説明する語彙力や表現力に課題が残る受験生」がかなり多く見られました。
(問六)
本文全体の主旨を簡潔にまとめることができているかどうかについてという読解と記述表現の総合力を問う問題でしたが、解答の多くが本文の主旨を読み取り、記述することができていました。こちらも問五と同様に「頭では理解しているが、説明する語彙力や表現力に課題が残る受験生」が比較的多く見られました。
(問七)
論の展開をおさえながら、文章を正確に読解できているかどうかを問う問題でしたが、ほとんどの受験生ができていました。

大問三「小説」
(問一)
語彙力を問う問題でしたが、全体的にはよくできていました。②「理路整然とした」は、「人生は短いという発言への返答」を「通訳」が「理路整然と伝えることから生まれる笑い」という複雑な構造であったため、苦戦した受験生が多かったようです。
(問二)
本文の構造と視点人物の変化を問う問題でしたが、ほとんどの受験生ができていました。
(問三)
登場人物の心情を理解し説明する力を問う問題でしたが、ほとんどの受験生ができていました。
(問四)
物語文中の因果関係を直前の文章だけでなく、全体を見て問う問題でしたが、人間関係を正確に読み取れていない解答が散見されました。
(問五)
連続する会話文の中での発言者を問う問題でしたが、多くの受験生ができていました。
(問六)
物語文中の因果関係を理解した上で、「視点人物が行動に移れない理由」を問う問題でしたが、一定数の受験生が妥当な解答を記述できていた一方で、本文中に「自分のことばかり優先して」や「珊瑚の気持ちに気づかなかった」というような理由となる描写があるにも関わらず、そのことに一切触れていない解答も一定数ありました。

・受験生への要望・合否のカギは?

①「書籍」「新聞」「ニュース」などに日常的に触れることで未来のリーダーにふさわしい語彙力を身につけてください。
日本においては何もしなくても中学に進学することができます。中学受験をするということは小学生という時期にあえて困難な道を選択することでとても立派なことです。どうか、その立派な自分が大人になって活躍するにふさわしい言葉の力を日ごろから意識して身につけてください。それが、必ず将来の自分のためにもなります。

②「要するに~」というような言葉を日ごろから使うことで、端的に事象をまとめて他の人に伝えられるようになりましょう。
今回は「本文の主題」や「傍線部の文意」が捉えられていない解答が非常に多く見られました。学校であったこと、小学校の先生がおっしゃったこと、テレビのニュースなどについて「これは要するに~ということだな」というように、日ごろから「要約する習慣」をつけてください。

③合否のカギ
中学受験を志す自分を「困難な道を志す立派な人材」だと思ってください。そして、それにふさわしい生き方をしているか毎日確認してください。そのことを心がけ続けていれば、必ず合格できます。修道中学校に入学して、幸せになる皆さんの将来を心から応援しています。

・問題解説

大問1 漢字書き取り
基本的な語彙力のもとに適切な漢字の書き取りができるかどうかを問う問題です。

大問2 説明文
学習方法について述べられた説明文問題です。
少し込み入った表現を的確に説明できるかが鍵となっています。

大問3 小説
複数の登場人物のやりとりから状況や心情を把握する問題です。
会話や行動から登場人物の心情を適切に読み取れるかが鍵となっています。

*社会

※大問1の問2(7)について

正解は「太宰府」だったのですが、「太宰府」天満宮などと記された鉛筆を使用している受験生がいる可能性があるため、出題として不適切と判断し、全員正解としました。

・受験生の出来は?

平均点は51.8。地理48%、歴史53%、公民54%。あまりよい出来ではありませんでした。
昨年と比べ、どの小教科も10%以上低くなっていて、平均点が14点ほど下がりました。

・問題の難易度・特徴は?

幅広い社会科の知識と社会的事象を説明する表現力を求める例年通りの難易度の問題でしたが、平均点がだいぶ低くなりました。

・採点上の気づき・受験生の解答の特徴は?

教科書レベルの用語が漢字できちんと書けない、あるいは「こくさいれんごう」や「せんそう」のように漢字で書くべき言葉をひらがなで書く答案が目立ちました。
説明問題では、題意はわかっていてもうまく表現できていないものや、主語不明になっている答案がありました。

・受験生への要望・合否のカギは?

漢字をきちんと書けるようにすれば、かなりの点数アップにつながります。
普段から新聞・ニュースなどを通じて社会的事象に対する関心を持つようにしましょう。
そして本校の過去問にもしっかり取り組んで準備しましょう。

・問題解説

大問1 地理
各県の自然、産業、観光地、伝統工芸品、気温・降水量などの地域的特色と、日本の食糧・エネルギーについて問うています。
説明問題では、自然現象についての地理的考察力を問うています。

大問2 歴史
縄文時代から現代までの政治、出来事、社会の状況などにまつわる歴史的諸事項を問うています。
時代ごとに特徴的な基本事項の理解、歴史事象についての説明力などが求められます。

大問3 公民
国際紛争や国際連合をめぐる国際的時事的諸事項の理解度・説明力および、日本の少子高齢化・自然災害・為替の動きといった幅広いテーマを通した現代社会についての理解度を問うています。

*理科

・受験生の出来は?

地学分野は知識問題についてよくできていました。生物分野は、何を答えるべきなのか(主語は何か)、に注意して解答してほしかったと思います。物理分野の電気回路の問題については、全体的によくできていました。てこの問題では、最後の設問の正答率が低かったように思います。化学分野(中和のしくみ)はよく学習できているようでしたが、グラフを活用する問題は難しかったようです。

・問題の難易度・特徴は?

受験生全体の平均点は昨年よりも約10点上がり(62点)、易化したといえます。地学分野は月について出題しましたが、できてほしい問題はよくできていて安心しました。生物分野は桜前線の問題に加えて、さまざまな小問を出題しました。知識問題がよくとれており、簡単だったと言えると思います。物理分野では、典型的な問題を解く力が身についているかを問いました。物理分野の全体的な難度は、それほど高いものではなかったと言えます。化学分野では、中和が起こるときに発生する熱から、過不足なく中和する割合を求める問題を出題しました。実験結果をグラフに表し、グラフから読み取りを行う難度の高い問題でした。

・採点上の気づき・受験生の解答の特徴は?

カタカナ・漢字など、人に読んでもらうという感覚をもって丁寧に書く癖をつけてほしいと思いました。また、測定値をグラフに表すことに慣れていない受験生が多いように感じました。

・受験生への要望・合否のカギは?

生物や地学の学習では、暗記のみの科目として処理するのではなく、理解をして、理屈を考えて授業を受ける姿勢を持つことも大切です。物理の学習では、中学生になっても作図をして式を立て、論理的に考えていくことが大切です。作図をせずイメージだけで解き、間違えるケースは多々あります。表面上の計算だけでなく、物理現象にしっかりと向き合った勉強を心がけましょう。化学の学習においては、単なる暗記にとどまらず、原理や理屈を意識しながら学習を進めていくことが大切です。観察や実験については、実験観察記録や測定値などの結果が得られたら、その結果を表やグラフに表して考察することも身につけていきましょう。

・問題解説

大問1 地学
天文分野の出題をしました。月の満ち欠けなど、単なる暗記ではなく、しくみの理解があるかどうかを確認しました。

大問2 生物
桜の開花という身近な材料を用いてリード文を正しく読む力を、また、それに付随する出題で基本的な知識を試しました。

大問3 物理
電気回路について、基本的な内容から応用的な内容まで順番に問いました。手を動かして作図することが大切です。

大問4 物理︓てこ
てこについて、基本的な内容から応用的な内容まで問いました。それぞれの棒の中心に重さが働くことに気づくことが大切です。

大問4 化学
実験結果をグラフに表す基礎技能や、酸性とアルカリ性の水溶液を混ぜ合わせたときに起こる変化の様子から過不足なく中和する割合を見い出す思考力を問いました。

*算数

・受験生の出来は?

今年度は平均点74.6(59.7%)であり、昨年の平均点71.5点(57.2%)に対しやや上がり、 標準偏差は22.0と昨年度の23.2よりやや小さくなりました。昨年と同様に平均点を中心になだらかな正規分布となっており、100点以上が135名ほどで昨年の120名をやや上回りました。配点の違いを考えれば、難易度的には例年と同程度だったようです。説明の問題は、昨年に比べて得点率が低く、これを含む大問4が合否に影響を与えた可能性があります。

・問題の難易度・特徴は?

大問1は(2)(6)は正答率が5割に届かず出来がよくありませんでした。簡単な文でも意味の取り間違えや、アナログ時計がイメージできない受験生が多かったようです。大問2は(1)(2)②(3)の正答率が低く、読解力や解法の工夫でのつまずきが原因に思われます。その他はよくできていました。
大問3~大問5は、読解力や工夫、正確な処理が必要で、後の方の小問ほど正答率は低くなりました。少し難しめの問題まで、日頃からコツコツ取り組むことが大切です。

・採点上の気づき・受験生の解答の特徴は?

解答の基本的な作法(既約分数にする等)を覚えてください。また、読解力と表現力で差が開いた部分が大きいと思います。

・受験生への要望・合否のカギは?

丁寧に字を書いてください。判読できない字が結構ありました。文章はイメージしながら読んでください。表現力は「何をどう説明すべきか」が肝心で、常に心がけておくことが大切です。また、問題の本質や解法の鍵を考え工夫をこらす習慣をつけることで発想力が磨かれます。 頑張ってください。

・問題解説

大問1 小問集合
(1)計算問題、(2)~(6)長さと余りの考え方、平均、図形の計量(角・体積)、時計問題
易しめの基本的な単問で、迅速で正確な計算力・処理力を問いました。

大問2 小問集合
(1)(2)(4)は特に読解と理解の力を、(3)図形の計量(面積)で発想力を問いました。
やや難しめの単問集です。

大問3
登校時の往き来を題材に、速度の理解やダイヤグラムの活用力を問いました。

大問4
正三角形を題材に、的確な思考を展開する力を問いました。

大問5
数字を扱う規則を題材に、試行力や観察力を問いました。

以上