進路部:遠藤伸彦
3月4日(水)昨年に引き続きリクルート進学カンパニーから島田満俊先生を講師に迎え「採用の現場から考えるキャリアと進路」と題して5年生対象に進学講演会が行われた。
伺った中で印象深かったのは、日本一になったアメリカンフトボールチームの選手が日本一になるために必要だと答えたことは、日本一の選手でも、日本一の戦略でも、日本一のコーチでもなく、日本一の練習だということでした。何かを成し遂げるためには「当たり前のことを当たり前以上にやるこだわり」が必要で、アメリカンフトボールでも当たり前の練習を当たり前以上にやったチームが日本一になるのだそうです。当然と言えば当然ですが、なかなかその当然を実行できないのが現実でしょう。高2生諸君には先日「いろいろな体験記に同じ問題を5回解いて受験で成功した話が書かれている。テスト前に1回は復習しますとか、家に帰って眺めるだけとか、ましてやそれ以下では納得できる結果は残せない。」という主旨の話をしたのですが、「えっ?5回も?」ではなく「当然5回」というのが「当たり前以上」なのだと感じました。「日本一になるためには日本一の覚悟が必要だ」という言葉も非常に納得できました。
また、採用の現場の面接で一番求められるのは、学生が自分で実際にやってきたことや考えてきたこと、これからやりたいことを自分の言葉で明確に説明する能力だそうです。「やってきた」というのも、どれくらい困難なことを、どれだけの人を巻き込んで、どのような工夫をしながら、自分はその中でどのような役割を果たしながら、どのような動機で「やってきた」かなのだそうで、言われたことを指示どおりにやるアルバイトや、設定された課題を身に付ければ得られる資格は学生が思うほどには評価されないそうです。
その日の放課後の面談で「僕の目標設定は甘すぎることが分かって、参考になった」と言った生徒や、「日本一になるためには何が必要だと言われていた?」と生徒に檄をとばしていた運動部の顧問もいたと聞きました。
多くの企業は大学名を書かせないで採用をするそうですが、「当たり前のことを当たり前以上にやるこだわり」を持ち、自分の考えを自分の言葉で明確に説明する能力というのは、センター試験でミスをしないできっちり点を取るために「そこまで」というくらいの準備をし、自分の言葉で自分の考えをゼロから説明する二次試験に対応できる能力と、全く同じとは言いませんが、非常に近いものがあるのではないかとも感じ、目から鱗が落ちる思いでした。
島田先生には非常にお忙しい中をご来校頂きありがとうございました。来年も是非お願いします。