メッセージ

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修道300年と修道魂

修道中学校・修道高等学校は2025(令和7)年に、創始300年を迎えます。

修道の源流は、1725(享保10)年に始まった広島藩の藩校「講学所」にあります。藩校の多くは明治時代に官立中学校となりましたが、修道は藩校の伝統を継承した私立学校として存続したのです。しかし、修道300年の道のりは平坦なものではありませんでした。江戸時代は藩の財政難による休業、明治以降も廃藩置県に端を発する藩校廃止、そして原爆被災など、存亡の機に何度も直面しながら、先人の情熱と努力によって、修道は今日に続いています。

修道の起源である藩校は、藩士の子弟、つまり藩の将来を担うリーダーを選び育てる場。本校の出身者にはリーダーが多いという評価をいただくことがよくありますが、藩校由来の「世の中を牽引する人材を育てる土壌」に、「官からの制約を受けない自由闊達な教育」が融合した希少な環境が、多彩な分野に数多のリーダーを送り出してきたのだと考えています。

個性豊かな生徒が集う本校ですが、卒業生は異口同音に「修道の出身かどうかは会えばわかる」と言います。それぞれが確固たる個性を持ちながら、互いに通じる独特の雰囲気を備えているというわけです。このことは「責任ある自由」の校風と「知徳併進」の教育方針の下、生徒同士、あるいは生徒と教員が、互いに個性を認め合い、優れたところを称え合い、刺激し合って過ごすうちに身につく「修道らしさ」――私たちが「修道魂」と呼ぶ独自の精神性――が培われる、私学ならではの価値を示しています。

修道魂は、例えるならば「家付き酵母」。長い年月の間に蔵に棲みつき、酒や醤油に独特の風味を与える家付き酵母のように、本校に脈々と受け継がれてきたものです。修道魂を備えたリーダーたちは、価値観が多様化し、あらゆる事象が激しく変化する21世紀社会においても世に有為な人材として、各界を牽引していくものと確信しています。

最後になりましたが、修道300年の歴史を刻んでこられた先人に深く敬意を表するとともに、創始300周年事業を物心両面でご支援くださっている同窓生をはじめとする皆様方に心より感謝申し上げます。

修道中学校・修道高等学校 校長 田原 俊典
修道中学校・修道高等学校 校長 田原 俊典

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