修道学園・学校案内2018
20/36

新生修道の19修道で得た力、修道から得た人生修道で得た力、修道から得た人生石川 洸さん国立大学法人 広島大学大学院医歯薬保健学研究科分子病理学研究室 医師山光 徹修道中学校・修道高等学校化学科教諭〈聞き手〉修道では高校から入学した生徒を「新生」と呼びます。修道で学び、そして得た人生について、社会で活躍中の新生に聞きました。大学病院で臨床と研究に従事山光 広島大学病院で医師として、また研究者として頑張っているようだね。石川 はい、専門は分子病理学です。分子病理学とは、生体内の分子の異常が病気を引き起こすという見地に立って病気の原因やメカニズムを探究する学問で、現在はオルガノイドを用いて消化管系の癌を研究しています。オルガノイドとは、組織の細胞を人為的な環境で三次元的に培養して再現した臓器のことで、癌細胞から培養すると癌になった臓器が、正常細胞から培養すると正常な臓器が再現されるのです。オルガノイドの分子の状態を調べ、癌の予後(今後の病状についての医学的な見通し)を予測するための研究を行っています。山光 私は石川君が上級だった時の担任でよく覚えているけれど、高校時代も理科は得意教科だったね。石川 理科は中学の頃から好きで、今の仕事にもつながっていると思います。先生、僕が医学部を目指したいと伝えた時、医学の歴史を勉強するようにおっしゃったことを覚えていますか?山光 ああ、そうだったね。私が大学で化学を専攻していた時、SF作家としても知られる化学者、アイザック・アシモフの『化学の歴史』を読んだことで、化学という学問の流れがよく理解できたんだ。だから化学に限らず学問をする時には、現在の学問体系に至るまでの歴史がわかる本を読んでおくと役立つだろうと思ってね。石川 専門にしている分子病理学でも、学問の変遷を知ることで流れをつかみ、次の展開を予測しながら研究しています。その地盤を山光先生が作ってくださったと感謝しています。高校受験で再挑戦し、念願の修道へ山光 将来、医師になることを見すえて、修道への入学を志望したのかな。石川 ええ。父が歯科医なのですが、口腔に留まらず、人体をもっと広いところから見てみたいと小学生の頃に考えたことから医師を志すようになり

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る