修道学園通信 vol.116
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2The Shudogakuen News vol.116●祝 卒 業●変化を力に、未来を切り拓く■ 77回生 歴代学年主任・担任一覧 第77回の生徒の皆さん、御卒業おめでとうございます。 皆さんが社会人として中堅の年齢に達する20年後の社会について、現時点の状況から予測できる事象と課題を3つほど挙げてみます。未来のグローバルリーダーである皆さんと未来の課題を共有することで、卒業を祝うメッセージとさせてください。 まずは、様々な技術革新、AIやロボティクス、バイオテクノロジーが現代よりもさらに進化するということです。これらの技術は未来の社会や経済に大きな影響を与えることになります。特に医療やエネルギー分野では、大きな影響を受けることになると考えています。一方で未来の技術革新そのものの問題点も考慮する必要があり、セキュリティーの確保、新しい技術を利用するための世界レベルでの標準化など、解決すべき多数の課題が発生してきます。特に、教育界でのAIの利用については、慎重な議論が必要となります。学校そのものの存続とも関連してくる重要な課題と言えます。皆さんの「創造力」を発揮し、未来社会のリーダーとして、様々な技術革新によって発生する課題を解決してほしいと思います。 次に、現代の日本の少子化状態から予測できる世界人口の動態という事象です。先進国の多くの国で少子高齢化が進む一方で、インドやインドネシアなどは人口が増加していきます。当然のことですが、このことは経済力のシフトにも大きな影響を与えます。現代では、日欧米などの先進国に対し、現在の経 皆様、ご卒業おめでとうございます。皆さんが高校生活を歩まれる中で、コロナ禍や教育改革という歴史的な変化を経験し、学校生活においてもその影響を直に感じられたことと思います。そのような激動の中、皆さんの協力によって実現できた新しい教育的な企画には、心から感謝しています。特に4年次には、NHK広島放送局のご協力を得て製作した広島の魅力を伝える動画や、福武財団のご協力のもと取り組んだ対話型美術鑑賞といった、先を見通すことが難しい企画にも挑戦できました。これらの取り組みを通じて、皆さんはその意義を自ら見出し、自分を振り返る機会を得たのではないでしょうか。 また、5年次には、修学旅行を通じて社会課題を考える機会や、豊かな人生観を創造する場を皆さんとともに作り上げたことは、私にとっても鮮済水準はまだ低いものの、高い成長性を秘めた国々は新興国と呼ばれています。未来の世界人口の動態は、世界経済の中心が先進国から新興国へとシフトすることを示唆しているのです。 さらに、特に深刻なのは環境問題です。未来社会では気候変動への対策がさらに重要視され、再生可能エネルギー等の環境保護の対策が世界規模で拡大されていくことになります。地球上のすべての生命を守っていくためには、世界平和を基盤とした国際協力が絶対条件となるのです。他にも世界の変化を予測できることはたくさんありますが、特にこの3つの観点は、世界を大きく動かすことになる重要な課題であると考えています。 皆さんが自己の評価軸に利用してきた修道ベーシック・ルーブリックの「価値観」のテーマの1つに「世界貢献」という項目があります。国際社会が抱える課題に対して問題意識を持とうとする姿勢については、皆さんが実施してきた修道ベーシック・ルーブリックによって自己評価を繰り返してきました。皆さんが未来社会の構成員になった時に、もう一度この自己評価を実施して、自身の価値観、生きる姿勢を確認してほしいと考えています。 修道の学校生活において学んだことは、将来の社会人としての皆さんの人間性を無意識のうちに涵養していきます。人生を幸せに過ごしていくための豊かな人間性を、皆さんの先輩たちは「修道魂」という言葉で形容しています。どうかその「修道魂」の力で、激変していく未来の世界を牽引していってほしいと思います。 最後に、本校の教職員を代表して、第77回の生徒のみなさんの卒業を心より祝福し、皆さんの輝かしい未来にエールを送りたいと思います。ありがとう!!明に記憶に残っています。これらの経験を通じて培われたスキルは、非認知能力、いわゆる社会情動的スキル(好奇心、他者理解、メタ認知、やり切る力、想像力)を高め、皆さんのこれからの人生やキャリアを豊かにする基盤となると確信しています。これらの能力は、VUCAと呼ばれる変化の激しい時代においても、皆さんを支える力になると思っています。 最近読んだ「エフェクチュエーション」という成功した起業家の意思決定理論を解説した本の中で、スティーブ・ジョブズが1994年に語った言葉が印象に残っています。彼は「偶然の扉を押し広げるときに想定外の方向から新しいものが生まれる。その偶然を形にし、価値にすることが最も重要だ」と述べています。この言葉は、皆さんが高校生活で実践されたことそのものではないでしょうか。77回生の皆さんは、まさに「偶然の産物を捉える実践力とスキル」を多くの場面で発揮されていました。これからもその力を活かし、未知の可能性に挑戦しながら、多方面でご活躍されることを心より願っています。校 長 田原 俊典6年学年主任 野上 知宏2019年度学年主任1組担任2組担任3組担任4組担任5組担任6組担任7組担任8組担任2020年度1年矢野 真司嶋田  勉鎌田 祐介白砂 謙介石徳 優季森元 雅貴城﨑 共陽2年矢野 真司嶋田  勉鎌田 祐介白砂 謙介石徳 優季森元 雅貴城﨑 共陽2021年度3年野上 知宏森脇 啓介鎌田 祐介長谷川貴大尾和田早世森元 雅貴城﨑 共陽2022年度2023年度4年野上 知宏森脇 啓介鎌田 祐介長谷川貴大田中 大翔森元 雅貴城﨑 共陽5年野上 知宏森脇 啓介鎌田 祐介長谷川貴大田中 大翔森元 雅貴城﨑 共陽池田 健太2024年度6年野上 知宏森脇 啓介鎌田 祐介長谷川貴大城﨑 共陽田中 大翔森元 雅貴立上 博之池田 健太卒業特集

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