2矢野 真司教頭補佐池内 啓生徒部長 修道の教育活動にご理解とご協力をいただいている皆さまへのご挨拶として、本校の近況報告、特に2023年度の事業計画のポイントについて報告させていただきます。 まずは、修学旅行等の学校行事の見直しについて報告いたします。本校の修学旅行は、全国にも例を見ない大型客船の利用による特徴的な修学旅行です。2004年度に初めて「ふじ丸」という大型客船で屋久島と種子島に行きました。そのときの生徒たちの充実した様々な取り組みは、今でも記憶に残っています。それ以降、クルーズの会社の事情で、「にっぽん丸」、「ぱしふぃっくびいなす」と客船は変わりましたが、大型客船を借り切って屋久島、種子島、奄美大島などで大自然に触れてきた修学旅行は、2022年度までの19年という長い年月、多くの生徒たちの思い出作りに寄与してきた有意義な学校行事でした。しかし、この度のコロナ禍、物価の高騰、様々な事情でクルーズの会社との調整がつかず2023年度以降は実施できないことが確定いたしました。すでに本校の生徒や保護者の皆様には伝えてあります。コロナ禍の約3年間、生徒たちは、様々な制約の中、楽しく充実した学校生活を送るため懸命に工夫と努力を重ねてきました。今回の修学旅行だけではなく、今までの学校生活では当たり前にできていたことが、予期せぬ制約によってできなくなってしまったことで、学校生活において私が修道に赴任した約20年前と変わらないこと、それは修道生たちの元気の良さと輝いた瞳です。男ばかりの中高一貫という環境で、修道生たちは毎日様々な体験を通じて、多くの経験を積み重ね、社会へと羽ばたいていきます。一人で羽ばたくのが苦手な修道生に対して私たちは優しく寄り添い、時には厳しく接することで修道らしさを育てています。特別な理由もなく修道生活が始まった人がいるかもしれませんが、卒業する時には必ず修道生であった理由を持つことが出来ます。そのために、夢を叶える道が描かれた地図を渡すのここ数年でAIが予想以上の進化をとげています。特に対話型AIを使うと、知りたい情報を詳しく入手することができます。あまりに優秀すぎるので、レポート作成での使用を禁止する大学もあるくらいです。大変便利な時代になりました。ですが、優秀なAIでも「次の時代に何が流行るのか」、「これからの将来、人々が求めていることは何なのか」などの問いに正確に答えることはできないでしょう。先を見据えるためには、様々な過去の知見も必要ですが、人々の動きをよく観察し、人々の「本当に大切なもの」を教職員だけではなく、生徒たちも強く意識できたと考えています。その意識をもとに様々な方面の意見も参考にしながら、修学旅行をはじめとした学校行事全般を見直して行きたいと考えています。 次に、「Diversity Management Room」(通称DM教室)の設置について報告いたします。生徒の多様性を学校が認め、それをマネージメントすることで、新たな可能性を発掘し、生徒たちが主体的に学校生活を送れるようにサポートしていくという趣旨で、様々な事情で不登校傾向にある生徒たちに、学校敷地内の居場所を提供することにしました。今年度の5月から専属教員3名を配置して開室していますが、今後はこの教室を利用するために通学する生徒たちの安全を確保しつつ、DM教室における自学習等の評価について考えていくつもりです。 さらに、本校は2025年に創始300年を迎え、その記念事業として新敬道館・新本館を建築することについて報告いたします。すでに工事は昨年度から始まっており、今年度7月には、まず新敬道館が完成する予定です。新敬道館には県内では初の室内スカッシュコートを2面ほど設置しています。また高さ8メートルにも及ぶ県内最大規模のクライミングウォールも整備されています。2025年度には新本館建設、北館改修工事等を終える予定になっています。これら新敬道館・新本館の新しい教育環境は、知徳併進を標榜している私学修道を象徴するものであると考えています。 最後になりましたが、創始300周年記念行事に関連して、同窓生の方々を中心に修道の教育に関係している様々な方々から過分なるご寄付をいただいておりますこと、この場をお借りして深く御礼申し上げます。日頃のご支援とともに深く感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。ではなく、修道生たちが挑み諦めることなく、自らの意志と力で新しい地図を描くことができるように、ご家庭と協力しながら支えていきたいと思います。そして、その地図は卒業と同時に後輩たちへと引き継がれ、修道の素晴らしい伝統となります。保護者の皆様と学校が共に手を携え、「修道らしさ」を育む環境を整えてあげることが大切です。教頭補佐として、私もその一助になれたらと思いますので、よろしくお願いいたします。気持ちをよく考えることが大切です。そして私は、「人の動きを観察し、人の気持ちを考える能力」は、修道ベーシックルーブリックの「協働性」や「向上心」に通じていると信じています。自分のことだけを考えるわけでもなく、また他人のために自分だけが我慢するのでもなく、他者のことも考えながら自分も楽しく頑張る。過去の多くの先輩たちは、そのように修道生活を頑張ってきたように思えます。より一層、周囲のことをよく考えながら行動できる集団を一緒に作っていきましょう。ご 挨 拶校 長 田原 俊典校長挨拶新教頭補佐挨拶新生徒部長挨拶
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