具体的に、総合的な探究の時間で取り組んだ企画には、本校卒業生のNHKアナウンサー武本大樹さんにご協力頂いた取り組みもありました。 学年を36班に分けて、7~8人が協力し合い広島の文化をテーマとして製作した「3分動画」では、NHK広島放送局の コロナ禍による学びの変化や教育課程の変わり目となった年度当初を振り返ると、先が見通せない不安の中、どのような教育カリュキュラムが良いのか、日々学年でやるべきことを模索していたように思います。 また、本校での「総合的な探究の時間」での取り組みは、初年度ということもあり実践例がない中、手探りの状態でカリュキュラムを積み上げた一年でありました。 本来であれば、学校行事と照らし合わせて進路指導などを含めた指導計画を4月に示す必要があるのですが、計画を立てることすらできず、多くの不安を抱えて様々な取り組みを行って参りました。しかし、生徒の創造性豊かな発想や協働的に企画に対して取り組む姿から、様々な企画の目的や意義について我々教員が多くのことを学ぶことができたように思います。生徒諸君には本当に感謝しております。 5年生には、行事の柱が3本あります。 まず、体育祭。体育祭では応援合戦を担います。かつて9月に体育祭があった頃は、夏休みの補習に来て勉強しつつ、代表者が集まって構成を練りつつ…と準備期間が長くとれていました(それが素晴らしいものを生むかどうかは別として、青春の楽しい1ページにはなっていたでしょう)。しかし、6月になってからは、準備、テスト、覚えて演舞、とわずかな時間で実施することになります。短い期間に計画・立案、間に重要なテストを挟んで実行、チームで団結して進む、と「仕事をする上で大切なこと」を十分に体験できたのではないでしょうか。 続いて、修学旅行。豪華客船「ぱしふぃっくびいなす」にて、屋久島・奄美大島を3泊4日で巡ります。今回は3年ぶりに完全な形で実施されるということになりました。しかし、長引くコロナ禍で、「乗船当日にPCR検査をしなけれ方々にご指導を頂きました。この活動は、「どーもNHK」の番組内でも取り上げられ、本校の探究の取り組みが全国に紹介されましたので、生徒の思い出としても記憶に残るものとなったのではないでしょうか。 文化祭行事では、この「3分動画」の紹介や「巨大建造物(立体折り紙でバラの地球儀を製作)」「お化け屋敷(過去最大級の広さとスケール)」「マジック」「占い」「短編映画上映」など各クラスでの取り組みも修道生らしい企画として、保護者の皆様から多数のお褒めの言葉を頂きました。 このような企画を通して、我々、教員は多面的な観点で生徒を見届ける必要性を感じた一年でもあったように思っております。 今後の入試がどうなるか、先を見通すことが難しい中で進路選択での不安は多少あったと思うのですが「夢ナビプログラム」などを活用し、大学での研究内容から興味や関心事を個々に広げたのではないでしょうか。 今年も「東大の大学訪問」は残念ながら中止となりましたが、その他の行事は、コロナの影響を受けずに行事を進めることができ、探究活動などを通して、仲間とともに困難なことにも立ち向かえたのではないでしょうか。次年度においても、世の中がどうであれ積極的に何事に対してもチャレンジして欲しいと思っております。ばならない」という制約がついており、生徒はもちろん引率教員、旅行会社様など乗船する全員が検査を受けることとなりました。さて、1ヶ月で35日雨が降る屋久島が晴れ、奄美大島も大部分が晴れました。アクティビティも滞りなく全て行われ、「全員で楽しむ姿勢」や、「困っている人を救う態度」など様々大切なことが学べたと確信できる行事となりました。 最後に、文化祭の食品販売。コロナに加え食中毒など安全管理を行う必要がある、「責任を学ぶ」行事となります。ただ楽しいだけではなく、様々な方面に気を配りながら。また、売り上げの管理は保護者の方にお任せしますが、準備段階での予算だてなどから1食の値段を決定したり、何食売れるかを見通したりなど、「先を見通す力」も同時に鍛えることができたはずです。 これらの行事から、「ワークに大切なこと」、「楽しむときは楽しむこと」、「先を見通して行動すること」を学ぶことができました。これらの力は、迫り来る受験勉強はもちろん、大学生活においても、また就職活動から社会人になっても大切な力だと思います。行事以外からの学びを含め、全てを糧として、まずは次の1年を充実したものにしていけるよう、教員一丸となってサポートして参ります。修道生活も残りわずかとなりましたが、引き続きよろしくお願いいたします。64年 学年報告5年 学年報告野上 知宏(4年学年主任)名和原 寛(5年学年主任)
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