修道学園通信vol.108
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6The Shudogakuen News vol.108ことでしょう。翌朝はまだ暗いうちに来島大橋をくぐり、そして四国から上がってくる朝日を皆で見ました。その後、遅く設定した朝食をとって昼前に帰港となりました。この旅を決めた経緯は上で触れましたが、その決断をしながらも非常に不安でした。寄港地なし、観光なしということに皆が納得してくれるのか、さらに①の豪華客船で過ごすことを魅力だと思ってくれるのかということに。しかし、これまで多くの声を耳にしてきたのです。過去に参加した卒業生たちの、1番の旅の魅力は豪華客船であったという声を。乗船すること自体が旅の目的となり、貴重な体験であることは、目にすれば、乗船すれば、必ず伝わるのだが、旅行前にはなかなか伝わらない。その魅力を伝えすぎては乗船の楽しみを奪うようでもあり、伝えなければ不満が募るかもしれないという難しさを抱え、ひたすら不安な毎日を過ごしました。結果としては、これで良かったという思いしかありません。抱いていた不安も、一万トンバースに停泊しているぱしふぃっくびいなすを見た瞬間に消え去り、その後の皆の姿、すべてを嬉しく思いました。船を見上げ声をあげる姿、海を進む大型船から水面をのぞき込む姿、島々を眺める姿、朝日を見るためにデッキに集まってくる姿、すべてすべてを。これまでの先輩が得てきた感動を、代替ではありながらも共有できたのではないでしょうか。ぜひ、下級生たちにも共有してもらいたいと思っています。学年は違えど、行った年度は違えど、同じ経験をしたことがある、これから同じ経験をする予定である、そういう経験の共有は必ず学校全体の一体感を生むはずです。同様の思いから、体育祭応援合戦も文化祭食品販売も実施させていただきました。実施に際しては、かなりの無理を多方面にお願いしました。しかし、5年生がこの一年間、代替ながらもこれまで通りの、先輩たちが経験してきた行事をさせてもらったことは、何年たっても持ち続けることのできる一体感と全体の勢いを生むものだと信じております。同じ経験の共有、そのバトンを次に繋げることができたことを嬉しく思うと共に、この場を借りまして、多方面への感謝を伝えたいと思います。ありがとうございました。「申し訳ありません。無念です…」と、携帯電話が鳴りました。豪華客船による屋久島奄美修学旅行の実施不可を告げる、その第一報でした。クラスでは、船の部屋割りや、島でのアクティビティ選択が確定しており、船や島での過ごし方を現実的に思い浮かべ、気持ちが高まっていたところのことでした。そこから代替の検討に入りました。あれこれと模索する中で、どこへ行って何をすればと自分でも混乱しましたが、本校の修学旅行とは、本校特有の魅力とは何なのかということに、立ち返って考えることで落ち着きました。それは次の3つです。①豪華客船という異空間での船旅 ②宿舎を貸しきっての全員での宿泊 ③離島でのアクティビティ そう整理する中で再び連絡がありました。運行再開の目処が立ってきたこと、さらに最初のクルーズをまずは修道に声をかけたいということでした。喜ばしいことですが、この連絡は再び自分を混乱させることになりました。それは、提案されたクルーズが、寄港地なしの24時間ワンナイトクルーズであったからです。これだと、上記③の代替として考えていた、観光ができないのです。しかし、小中高の多くの学校が、修学旅行を秋に計画し直しており、宿泊場所の確保が難しくクラス別の宿泊も検討せざるをえず、②を得ることも困難な状況でした。これらから①と②が得られるのであれば、ということで決断し、12月2日から1泊2日、本来の初日乗船からの12時間に、本来の最終日下船までの12時間をくっつけた、豪華客船での24時間瀬戸内海ワンナイトクルーズ旅行に出かけてきました。出港時は感染症対策のため、テープ投げはできませんでしたが、たくさんの方に見送っていただきました。出港後は、海から見た広島や瀬戸内の島々など普段見ることのない景色を楽しみ、しまなみ海道にかかる橋を見ながら進み、因島大橋をくぐりました。さらに、沈んでいく夕日を見つめると、夕食の時間となりました。夕食はテーブルマナーのレクチャーをいただき、その後はお楽しみ会を開催し、演奏やお笑いなどで盛り上がりました。夜は愛媛沖で一晩過ごしたのですが、翌日に屋久島登山も控えていないので、今回は就寝時間についての注意もしませんでした。友人との濃い時間を各部屋で満喫したむ姿勢が印象的でした。審査の結果、最優秀賞は1組、優秀賞は3組と5組でした。残念ながら雨が強く降り、4年の競技は中止となりましたが、先輩の応援合戦、仮装行列を見学し、来年、再来年への準備ができたと思います。  今年度から、4年生では、高校生・大学生向けの公開講座「高校生と大学生のための金曜特別講座」に希望者を募って、遠隔講義の形で参加しています。夏学期、冬学期合わせて、東京大学の先生方の授業が20講座あり、各自自分のパソコンで受講しました。専門分野の面白さを中心とした60分の講義の後、長いときは質問時間が2時間にもおよびました。学問に触れる良い機会になったと思います。特に各講義の中で、進路選択の一助として、先生方が学問分野を選んだ理由や、どんな高校生、大学生だったのかを語って下さる時間があり、文理選択を控えた高校生には大変参考になりました。学習、行事、将来の進路など様々な事柄にしっかり取り組み、上級学年として充実したスタートが切れるよう頑張っていこうと思います。 修中生は4月6日(月)の始業式、新生は4月7日(火)の入学式を終え、75回生全員が新たな気持ちを胸に高校生活をスタートしました。その後、3日間の通常授業を受け、これからしっかり学習に取り組もうとした矢先、コロナウイルス感染症対策で、学校は休業となりました。4月中は事前に準備された課題やオンラインで配信された課題を家庭学習し、5月は分散登校となりました。分散登校ではその都度、前回だされた宿題の提出チェックを受けることにより、定期的な学習習慣が確立できたと思います。また、登校日の設定がない日は、オンラインで8時30分からショートホームルームを行いました。朝、規則正しく起きて生活のリズムを整えることが目的でしたが、画面を通して元気にしている家庭での様子を垣間見ることができました。授業の方は、動画配信やリアルタイムの遠隔授業を行いました。6月、学校が再開されて少しずつ通常の学校生活に戻り、「家での生活にそろそろ限界を感じていたので、学校が始まって良かった。」と語ってくれる生徒も多くいることに非常に感謝しています。 9月12日(土)には体育祭が行われ、朝から立て看板を設置しました。1組は白色、2組は緑色、3組は青色、4組は赤色、5組は橙色、6組は黄色のクラスカラーを基調とした図案でした。日々の学習を中心とした姿とは異なった、真摯に作品に取り組4年 学年報告中﨑 真介(4年学年主任)5年 学年報告安本 芳朗(5年学年主任)

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