修道学園通信vol.108
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5The Shudogakuen News vol.108期にありがちな、失敗したらどうしようという消極的な姿勢が心配されましたが、全くの杞憂に終わり、前のめりに楽しむ姿勢が印象的でした。 実際に実施された内容は、「SDGs」に関連して、修道をもっと環境に優しい学校にするには、といった身近なものから、「アプリを開発するなら」など多岐にわたり、生徒が飽きないような工夫が凝らされていました。 6時間目の時間帯は、オーストラリアの家庭とオンラインでつないで、「ホームステイしたなら」を体験したり、オーストラリアの人からアボリジニの話を聞いたりと、オーストラリアを生で感じる時間になりました。その中にはUNSW(ニューサウスウェールズ大学)およびシドニー大学の校内案内や、実際の留学生の話なども含まれており、海外進学を身近に感じることもできました。 最終日には Final Presentation として、FLPで学習したことや、これまでの人生と、My Future をリンクさせてのスピーチを行いました。Don’t be Shy を合い言葉に、身振り手振りを交えながら楽しそうに発表する生徒の姿と、それを温かく見守るクラスの姿から、楽しみながら成長することができた二週間を感じさせてくれました。このプレゼンテーションは、11月28日のFLP報告会にて、保護者の前で披露しています。 12月3日の事後研修をもってFLPは終了となりましたが、この行事で得たものは今後の彼らの人生に良い影響を与えてくれることと確信しています。今15歳の彼らが、リーダーとなって社会を引っ張っていく日もそう遠くないことです。想像するだけで、興奮しませんか? さて、3年生は文化祭にも参加しました。縁日のような、接客を主とするクラス参加企画ができなくなったため、全クラスが映像作品を作って参加、というおそらく修道史上始まって以来の学年となり、さながら修道映画祭のような雰囲気でした。大道具のクオリティが異常に高かったクラス、ストーリーにきちんと落ちをつけたクラス、オリジナルの脚本にオリジナルの音をつけてドラマを演じたクラス、独特の世界観を見せたクラスなど、どのクラスも期待を大きく上回る出来となりました。 12月21日に実施される予定だった修道杯にもこの学年のカラーがあふれていました。例年こういったことはあまりないのですが、「種目を決めさせてほしい」と要望を出してきたのです。企画を募ったところ、ドッチボール・バスケットボール・野球と、元々する予定であったサッカーの4つから選ぶことになり、最終的にはサッカーに落ち着きましたが、この学年の発する「主役は俺たち(生徒)」と訴えかける感覚がthe 修道で、頼もしく感じることができました。 今年度は様々な行事が中止となり、クラスで団結して何かを成し遂げる経験などを積むことが難しい1年でしたが、そんな中で与えられたチャンスを十分に満喫し、成長することができたと感じています。これも、保護者の皆様が温かく見守ってくださったおかげです。本当にありがとうございました。高校生になっても、引き続きよろしくお願いいたします。 FLPは、修道中学校3年生全員を対象とし、グローバル社会の中でリーダーとなり得る人材の育成を目指したプログラムで、今年度で2年目となります。本来であれば「UNSWコース(オーストラリア研修コース)」と「SHUDOコース(国内研修コース)」に分かれて研修を行うはずでしたが、本年度は、世界的な大流行を見せた新型コロナウイルス感染症の蔓延により、オーストラリアの出入国が困難であるとの判断から、全員が国内研修コースとして、本来の「SHUDOコース」を発展させたプログラムを実施しました。 8月24日、10月6日・7日にそれぞれ事前研修を行い、ディスカッションの基本、世界の抱える問題とは、リーダーとはどんな人間か、自分はどんな人間か、などのことを学習しいよいよ本番を迎えることになります。 本番は、「Intensive English Program(IEP)」5日間と「Empowerment Program(EMP)」5日間の二部構成です。「IEP」は英語の使い方などを学ぶ研修、「EMP」はディスカッションを中心とした、実際に英語を使う研修となっています。 「IEP」では、24人のクラスあたり外国人講師1名と補助の留学生が1名、「EMP」では36人のクラスあたりファシリテーターとしての外国人講師1名と、6人のグループあたり1名の留学生(つまり1クラスに6人の留学生)で研修を行いました。研修の内容を濃い物にしようと思ったら留学生の数を増やす必要がありますが、コロナウイルス感染症の対策をしようと思ったら学校に滞在する留学生は限りなく少ない方が良い、という相反する2つを同時にクリアするために、学年を半分に分けて研修開始を1日ずらし、「IEP」と「EMP」を交互に実施することになりました。 1〜3組は11月9日〜19日、4〜6組は11月10日〜20日で、初日は「IEP」、2日目は「EMP」という変則的な日程でしたが、大きな混乱もなく実施することができました。これには3つの要因があると考えています。 1つめは、学習の流れを示した教科書があったことです。全員が国内研修コースとなったことで、逆に全員が同じ教科書をもって研修に取り組めるようになり、学習への導入や展開・まとめなどを極めてスムーズに行うことができました。 2つめは、優秀な講師陣が揃っていたことです。使用言語はすべて英語でしたが、生徒が理解していることを確かめながらプログラムを進行し、発言や話し合いに詰まった修道生を上手にフォローしていただきました。合わせて、留学生もこういった行事に慣れた大学生が多く、日本人の国民性や思考のルーティンなどを理解した上で指導してくれました。また、留学生は高い志を持ち、東京大学や京都大学などで学んでおり、留学生の熱意が修道生の志を高めているようでした。 3つめは、生徒たち自身が積極的に参加していたということです。思春3年 学年報告名和原 寛(3年学年主任)

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