修道学園通信vol.102.
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2The Shudogakuen News vol.102卒業特集年  度201220132014201520162017学  年123456学年主任藤田 昌信藤田 昌信藤田 昌信藤田 昌信藤田 昌信藤田 昌信1 組銅銀 和史銅銀 和史内藤 弘泰山光  徹銅銀 和史山光  徹2 組高木 亮治高木 亮治銅銀 和史銅銀 和史山光  徹渡邊  宏3 組管野 泰久管野 泰久渡邊  宏渡邊  宏渡邊  宏熊野 敬子4 組小森 純一小森 純一光田 真介光田 真介熊野 敬子銅銀 和史5 組池内  啓池内  啓管野 泰久管野 泰久光田 真介山口 明範6 組有田 公一有田 公一遠藤 伸彦遠藤 伸彦管野 泰久光田 真介7 組遠藤 伸彦西川 省吾8 組管野 泰久●祝 卒 業 第70回の生徒のみなさん、御卒業おめでとうございます。 みなさんが世の中のリーダーとして活躍する近未来は、地球環境の変化、AIの急速な進歩、少子高齢化、その他様々な要素で激変することが予想されています。その激変を社会全体の幸せに導くのがみなさんの使命だと思っています。この度旅立つ卒業生のみなさんに、その使命を果たしてほしいという強い期待を込めて、ここに高校生活最後の宿題を出します。みなさんの聡明な頭脳と豊かな感性を駆使して、近未来の社会に有益な宿題の成果を提出してください。 その宿題は、社会に生きる人々の「人間関係能力」を向上させて、本来的な人と人のつながりを構築できる社会に回復させることです。昨今の社会風潮の一つとして、誰かの意見表明に対して、部分的な言葉尻をとらえて、発言者の意図に反する一方的な批判をするケースが散見されます。全体の文脈から発言者の真意をくみ取るのではなく、一つの言葉に拘泥して意図的に悪人を作っているような気がします。デジタル社会の伝達網により、その作られた悪人は瞬時に世間の無責任な制裁を受けることになるのです。常に何かに追いやられ、多忙な日々に疲弊している現代人は、悪人を制裁をした正義感に陶酔して、表層的な正解を祭りあげ、自分の安心と安定を保っているような気がしてなりません。このような社会では、自分が悪人にならないために、自身の範疇に常時悪人を設定しなければならないという破滅のロジックが発生してしまいます。 相手の表情や言葉の抑揚なども含めて、文脈全体からその真意を解釈することは簡単なことではありません。ましてやその意見が自分の考えと違っていたり、気になる言葉に躓いたりした場合は、さらに真意を理解することは困難となります。しかし、実は異なった考え方も一つ到達点を目指したものであるという点においては共通しているのです。世界中でおきている紛争も全く異なった思想が敵対しているのですが、それぞれがそれぞれに属する人々の幸せを到達点としていることでは共通しています。 みなさんの使命は、その普遍的な共通項を土台として、まずは異なった意見や考え方を受け入れ、お互いがお互いの違いを尊重し合いうことができる人間関係を構築できる世の中に改善することです。そのためには、みなさん自身がこれから社会に飛び立ち、様々なことを学び経験して、みなさん自身が高次な「人間関係能力」を習得することが必須条件となります。 難解な宿題ですが、修道の学校生活において学んだ様々なことを活かして、是非社会の救済となる成果をだしてほしいと願っています。 最後に、本校の教職員を代表して、第70回の生徒のみなさんの卒業を心より祝福し、みなさんの未来にエールを送り、メッセージを終わりたいと思います。●『カッコいい男になれ』 NEXT STAGEへ 6年前、ピカピカの中学1年生が修道に入学してきた。(管野先生の『ラップ古典』が全国放送されたのもこの頃だ。)ピカピカの胸中には『カッコいい修道生』になりたいという純粋な希望が抱かれていたはず。ところが、それからの6年間は心身両面が成長し、つまりは変化が著しい時期であったため、漠然と抱いていた『カッコよさ』と現実に、多くの人がギャップを感じていた。でも、この時期の『カッコよさ』って何だったんだろうか? 進化をする過程で失敗は必要であるが、失敗し続けることはカッコいいことではない。けれど失敗を恐れて挑戦さえしないのは、この時期のカッコよさから言えば論外である。だから、しっかり失敗をして、それを次の成長へどれだけ生かすことができたか、これがこの6年間のカッコよさを測る一つのバロメータになるのではないだろうか。そう考えると、多くの人が『カッコいい修道生』であったはずだ。 高校卒業は人生の中でも大きな節目の一つである。これから生活形態が変化し、カッコよさも変わっている。これまでの失敗を恐れないチャレンジ精神は引き続き持ち続けてもらいたいが、これからのカッコよさって何だろうか? “信念を持って、自分らしく生きること”これが一つではない答えの中の一つだと思う。在学中の6年間に活躍が注目された人物として、修道高校OBの山縣亮太選手と元カープの黒田博樹選手が挙げられる。世界レベルの記録や、万人が忘れ得ない記憶を残したことは紛れもなく素晴しいことである。誰しもこのような結果が残せるわけではない中で、彼らの生き方に対して、まだ模倣可能なものとしての憧れを感じることができる。多くの人が築いた歩きやすい平坦な道ではなく、何でも手に入るお金でもなく、無難ではない生き方を選択している。人と同じような生き方を選択するメリットは当然ある。だから、その反対を選択するには相当の覚悟が必要だ。その覚悟は、“自分らしく”とは何かを考え抜いた結果だろうと思う。彼らのカッコよさは、信念を持って、自分らしく生きていること。 長い旅路のいろんな場所で数えきれぬ人に出会う。誰も皆自分の人生と闘っている。 荒野にひとり、君は立っている。行く道は幾つもある。だけどたどり着くべき場所はきっとただ ひとつだけ。 どの道を歩いて行こうと君は君のその人生を受け入れて楽しむ他ない。最後には笑えるように。 これからの世の中はますます変化の速度をまして変わっていく。AI(人工知能)しかり、働き方改革しかり。いろいろな課題が出てくるが、NEXT『かっこいい男』を目指してほしい。校 長 田原 俊典6年学年主任 藤田 昌信■ 70回生 歴代学年主任・担当一覧

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