修道学園通信Vol.99
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The Shudogakuen News vol.992新年度が始まり、ようやく軌道に乗ってきた感じがする初夏の候、本校の教育活動に対する皆さまの日頃のご協力、ご支援に対して深く感謝申し上げます。さて、昨今、国の提唱する教育改革が教育現場の論議を加熱させていますが、昨年度の末に文科省の「高大接続システム改革会議」の最終報告が発表され、学校現場ではさらなる論議がわき起こっています。その最終報告には「学力の3要素」という言葉が度々登場しています。①十分な知識・技能。②前述の①を基盤にして、答えが1つに定まらない問題に自ら解を見いだしていく思考力・判断力・表現力等の能力。③前述の①②の基になる主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度。以上①②③の3つを「学力の3要素」と定義し、その力を育成していくための、大学入試のあり方、中学、高校教育の改革方針などがかなり具体的に述べられています。しかし、注目を集めていた大学入試のセンター試験に変わる新テストに関しては、改革当初のメインであった「複数回受験」については見送り、また、「記述式問題の導入」については2教科のみ導入という、かなりトーンダウンした内容になっています。学校現場の論議が届いた結果だと考えています。 しかし、この最終報告の内容はかなり重たい問題を提示しており、大学入今年度から高校教頭を務めています理科(化学)の山田です。化学では反応を速める重要な働きをする物質を“触媒”といいますが、修道が進歩・発展していく(反応の)触媒となれるよう一生懸命頑張りますので、皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。4月初めのことですが、私はNHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の最終回を見ていて、ヒロインが語った次の言葉が強く心に残りました。「み試も必然的にこの「学力の3要素」を踏まえた内容となり、また、約10年ぶりに全面改訂され、2020年度より順次導入される「新学習指導要領」も当然「学力の3要素」を重視した改訂となります。このような現状を踏まえ、本校においても今後の教育ヴィジョンの確立に向けて、具体的な実践や研究を進めています。その中で特に強く意識しているのが「評価」の問題です。従来の定期テストの結果のみで評定を出し、それを学習の評価とする方法では新しい大学入試問題には対応できなくなります。すでに2016年の大学入試にも答えが1つではない問題が多く出題されています。紙幅の都合で具体例を列挙することはできませんが、たとえば東大の英作文では、あるイラストを見て、それに対する自分の考えをまとめ、さらにそれを80語の英語で解答するという問題が出題されています。校内で年間に多くのテストを繰り返し、範囲を決めて一定の知識を一時的に身につけさせて、それを学力の定着と考えるのでは「学力の3要素」の①にある「十分な知識」に到達できないと考えています。今の時代には検索できる「知識」は不要です。必要なことを検索できる基本的かつ根本原理を理解した「真の知識」が不可欠となります。本校では、昨年度まで年間4回の定期テストに加え、隔月に4回の月例テストを実施していましたが、今年度より月例テストという形式を改め、本校独自の新評価について考え直すことを決めました。過去に本校が学期2期制を設定した際、授業を60分にして年間授業時間を確保し、基本的な知識の定着は各授業の中で実施していくという当時の方針の理念に立ち返り、授業を一義として「真の学力」の定着を図りたいと考えています。今後、新しい学力観に対応する修道独自の展望を持ち、世に有為な人材を輩出するというミッションを達成していくことをお誓い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。んなが幸せになるためには、人の気持ちをおもんばかる事のできる優秀な頭脳と柔らかい心、それさえあったらそれで十分なんです。」…しばらくして、その内容が修道の建学の精神である『道を修めた有為な人材の育成』、教学の目標としての『知徳併進』、その実践心得としての『尊親敬師』『至誠勤勉』『質実剛健』を意味していることに気づき、改めて感動いたしました。また、以前、国民栄誉賞を受賞された俳優・故森繁久彌さんが、芝居について次のように話され、とても感銘を受けました。「今の舞台に自分の役者としての全生命を燃やしている時にのみ、自分の芸術があるんです」。このお話は、人生を芝居にみたてたとても深い内容で、修道生が学校生活を充実させるヒントにもなると思います。すなわち、学業でも班活動でも“今”に集中してベストを尽くし、“今”を充実させる。これ以上の喜びのある生き方があるでしょうか。修道生一人ひとりが”今”を輝いて生き、将来、社会のために光り輝く人になることを心から期待しています。-新学力観について-“今”を輝いて生きる校 長 田原 俊典高校教頭 山田  薫校長挨拶今年度のPTA会長を務めさせていただくことになりました三﨑和也と申します。高校副会長の井田達成さん、中学副会長の北村直幸さんと私の3人で本年度のPTA運営を行うことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。私は修道43回卒業生ですが、恥ずかしながら在学中は部活動も行わず、お世辞にも修道を満喫したとはいえない生徒でした。しかし、子供が修道に通い始めてからの約4年間で、修道という学校が、様々な力や個性を持つ生徒が自由に切磋琢磨する場として不思議な魅力を持っていることをしみじみと感じています。そして、修道がそのような魅力を持つうえで、学校・先生方とPTA会員の皆様の間の信頼・理解や自由闊達な意見交換が欠かせぬ基礎となっているように感じます。少子化、IT化、グローバル化など、私学を取り巻く問題は多々ありますが、修道中・高等学校の更なる発展、ひいてはPTA会員の皆様のご子息のご成長に、PTA活動が僅かでもプラスになればとの思いを持って微力ながら頑張って参りたいと思いますので、本年度1年間どうぞよろしくお願いいたします。PTA会長 三﨑 和也新高校教頭挨拶新PTA会長挨拶

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