修道学園通信Vol.96
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卒業特集The Shudogakuen News vol.96267回生 歴代学年主任・担任一覧年  度200920102011201220132014学  年123456学年主任竹川  誠竹川  誠桒本  潤桒本  潤竹川  誠竹川  誠1 組嶋田  勉清原 真琴磯邉 悌志磯邉 悌志嶋田  勉安本 芳朗2 組安本 芳朗大成 浩二中高下 亨中高下 亨中高下 亨惠島  聖3 組名和原 寛田坂 雅江名和原 寛名和原 寛熊野 敬子熊野 敬子4 組田坂 雅江名和原 寛田坂 雅江田坂 雅江惠島  聖中高下 亨5 組大成 浩二安本 芳朗渡邊  宏渡邊  宏名和原 寛嶋田  勉6 組清原 真琴嶋田  勉安本 芳朗安本 芳朗安本 芳朗名和原 寛7 組池田 健太池田 健太8 組松川  聡■祝 卒 業 2015年3月、第67回の生徒たちが本校を卒業していきます。 第67回生が最終学年として過ごした2014年は、日本の各地で様々な自然災害が多発した年であり、広島でも土砂災害による甚大な被害がありました。卒業していく生徒たちとともに、亡くなられた方々のご冥福を祈り、今もなお困難に立ち向かわれている被災者の方々にお見舞い申し上げたいと思います。 そのような2014年を終え、2015年を迎えました。メディア等では、「メモリアル」というキーワードで2015年の特徴を語っているようです。被爆70年、日韓国交正常化50年、日本航空123便墜落事故30年、阪神大震災20年、オウム真理教事件20年など、いわゆる「節目」の年にあたります。また、帝国データバンクの調査によると2015年が創業から数えて節目の年に当たる「周年記念企業」は、全国で15万社以上、うち上場企業は320社にも上るというデータもあります。生徒達にとってはAKB48結成10周年なども見逃せないメモリアルではないでしょうか。 さて、「節目」という言葉を、「過去を凝視し、未来を見据える」と定義するならば、前年に襲ってきた自然の猛威は、私たちの未来に対する警鐘のような気もします。今後、世界全体が大きく変化し、医療や自然科学も従来にはない新しい形で大きく進歩していくとも言われています。それに伴い、生きる意味や、幸福の定義も変化していくかもしれません。地球全体の中で世界中の人々がどのように生きていくのか、過去には想定できなかった新しいルールやモラルが必要とされる時代への、今がその過渡期ではないかと私は考えるのです。 変化という視点においては、日本の教育界も例外ではありません。国が新しい学力観を提示し、数年後に大学入試を大幅に改革することが話題になっています。それに伴い、第67回生の皆さんが大学生活を送る間には、大学という学びの場も大きく変化していくことでしょう。 この度卒業する皆さんにとって、卒業というセレモニーは一つの大きな「節目」です。その節目に、さらに時代の大きな節目が重なって訪れようとしているわけですが、皆さんにはぜひ修道で培った「生きる力」を発揮して、これに対峙して欲しいと願っています。そして、新しい時代に、未曾有の課題を解決することで、皆さんが必ずや各界のリーダになることと確信しています。 最後に、本校の教職員を代表して、ここに第67回生の皆さんの卒業を心より祝福し、一人ひとりの将来にエールを送り、お祝いの挨拶といたします。■67回生諸君へ 『卒業に寄せて』 君たちが修道生活の最後を送った2014(平成26)年という年にも、様々な出来事がありました。御嶽山噴火や広島土砂災害で、多くの尊い命が失われる痛ましい事件もありましたし、錦織圭選手の全米オープンでの活躍や、青色LED開発による日本人ノーベル物理学賞受賞など心弾む話題もありました。それら様々な出来事の中で、2014年12月3日、「はやぶさ2」が打ち上げられたというニュースを覚えているでしょうか? 「はやぶさ2」が向かった小惑星「1999JU3」からは、有機物や水を含む鉱物が見つかる可能性も指摘され、地球生命誕生の謎解明に向けて、大きな前進が期待されています。 さかのぼって思い出してみると、初代「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」から微粒子を持ち帰った際には、映画化されて大きな話題と感動をよびました。その初代「はやぶさ」が打ち上げられたのは2003(平成15)年5月、君たちが小学校に入学した年。初代「はやぶさ」が、数々の苦難を乗り越えて地球に戻ってくる7年の間に、君たちは小学校を終え中学へと進学したのです。いかに長い時間が費やされたか、理解できると思います。 先にも述べたとおり、この度の「はやぶさ2」は、君たちの修道卒業とほぼ同時に地球を旅立ちました。予定では6年後の2020年、すなわち、君たちが24歳になる年に戻って来るのだそうです。「はやぶさ2」が大任を終えて地球に無事帰還したとき、君たちは何をしているでしょうか? 大学を卒業し、社会人となって働いている人もいるでしょう。大学院に通っている人もいるかも知れません。中には結婚して、ひょっとすると赤ちゃんを抱いている人もいるかも知れません。6年後に思いをはせてみて下さい。そして、6年後に、今日という日を振り返ってみた時、君たちは何を思うのでしょうか。 年末にはもう一つ大きなニュースも飛び込んできました。黒田博樹投手のカープ復帰です。様々なメディアで黒田選手の“男気”が伝えられましたが、彼は、胸に日本語で「氣」と書かれたトレーニングシャツを愛用しており、そして横には「雪に耐えて梅花麗し」とも記されているそうです。これは、黒田投手の座右の銘で、「梅の花は、寒い冬を耐え忍ぶことで、春になれば一番麗しく咲く」という、西郷隆盛が詠んだ漢詩の一節です。意味はわかりますね。「苦しまずして栄光なし」。黒田投手の人望と栄光が、苦しみを堪え忍び、それを乗り越えたところから生まれていることが、しっかりと伝わってくる言葉ではないでしょうか。 67回生諸君、君たちが大輪の花を咲かせるのはこれからです。前に向かって進み続けて下さい。そして、「はやぶさ2」が帰還してきたときにこの卒業式を思い出してください。その間には、辛い時期もあるでしょう。人生における寒い冬がやってくるかもしれません。しかし、それを乗り越えてこそ美しい花を咲かせることができると信じ、自分の可能性を信じ、雄々しく生きていって下さい。 67回生諸君、卒業おめでとう。我々はいつまでもいつまでも、君たちを応援し続けています。為せば成る 為さねば成らぬ何事も成らぬは人の 為さぬなりけり校 長 田原 俊典6年学年主任 竹川  誠

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