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2018年1月21日

修道中学校 入学試験結果概要

◆受験者数・合格者数(過去5年間)

 

2018年度

2017年度

2016年度

2015年度

2014年度

募集定員

276名

276名

276名

276名

276名

志願者数

995名

1056名

983名

1001名

1053名

受験者数

970名

1034名

946名

959名

1013名

合格者数

532名

543名

532名

531名

532名

補  欠

113名

111名

109名

110名

110名

※「補欠」については、3段階に分けた順位をお知らせしています。

◆テスト教科・時間・配点・受験者平均点・合格最低点(総点)・合格者平均点(総点)(過去5年間)

教科

国語

社会

C.T.

理科

算数

総点

時間(分)

50

40

50

40

50

配   点

125

100

100

100

125

550

2018平均点 67 58 86.8 52.5 78.3 342.6

2017平均点

69.7

71.2

86.9

52.7

51.4

331.9

2016平均点

73.8

55.6

79.9

52.5

75.8

337.5

2015平均点

81.4

55.5

71.4

51.4

75.0

334.7

2014平均点

73.8

68.3

81.2

59.1

68.9

351.3

 

合格最低点(総点)

合格者平均点(総点)

2018年度 344点 389.8点

2017年度

335点

370.3点

2016年度

335点

382.9点

2015年度

330点

380.3点

2014年度

356点

394.3点

(合格発表段階の点数)

【2018年度入試に関して】

◆入試結果について

今年度の入試は、昨年と比べて算数の平均点が上がり、社会の平均点が下がりました。近年の傾向ですが、受験生全体の得点に幅が出ているようです。

◆志願者数について

昨年より61名減の995名の志願者がありました。岡山県や鹿児島県など遠方から30名近い出願がありました。

◆合格者数について

合格者は532名で、ほぼ昨年どおりです。
このところ成績上位者の入学率が上がってきています。今後とも、一人でも多くの志願者に本校を選んでいただけるように努 力していきたいと思っております。

◆補欠者数について

補欠者数は113名です。補欠者には成績により3 段階に分けた順位をお知らせしています。今年度入試では、「補欠1 位~34位段階」、「補欠44位~71位段階」、「補欠77位~109位段階」の3 段階に分けています。
本校では、合格者からの入学予定者数が定員に満たない場合、補欠者を成績順に繰り上げ合格の候補者とし、その中で入学の 意志がある方を合格としています。
補欠からの合格者数は年度によって変動があります。2017 年度は25 名が最終的に繰り上げ合格となっています。

◆講評(科目ごと)

*国語

・受験生の出来は?

今年度の平均点は67.0でした。昨年度の平均点が69.7点でしたので、やや難化しました。

・問題の難易度・特徴は?

問題の難易度は標準的だと考えます。今年度は、漢字・語句の問題の大問1、評論の大問2、小説の大問3という組み立てとしました。大問2の評論は「アンパンマン」の作者であるやなせたかしさんの文章でした。「アンパンマンはどのようなヒーローか?」という問いを投げかけました。

・採点上の気づき・受験生の解答の特徴は?

しっかりと考えたあとが読み取れる頼もしい答案もあります。一方で、言葉の知識が不足している解答や、文章全体の趣旨を理解せず傍線部付近だけ読んで書いた答案も見られました。

・受験生への要望・合否のカギは?

漢字・語句の勉強を積み上げることを要望します。合否の鍵は、評論文においては文章の主旨・主題をはっきりと把握する読み方を心がけること、小説においては心情の説明・ふるまいの理由の説明に書き慣れることです。

・問題解説

1 修道の国語は漢字・語句の力を重視しています。やや大人びた言葉も出題していきます。語句の問題は出題のしかたも工夫しようと考えています。

2 文章では「アンパンマンは飢えた子どもを助けるヒーローだ」という主張が繰り返し語られています。アンパンマンは受験生にとって身近なキャラクターだと思いますが、それでも、筆者の飢餓体験と結びつけて評論文として語られると、ピンとこなかった受験生もいたようです。アンパンマンと、アメリカンヒーローたちとの対比も難しくありません。2の設問は易しめなので確実に得点したいところです。

3 この小説の場面の大部分は父と母の争いの応酬となっていて、そのやりとりを軸にして状況を読み取る力が必要です。問三・問五はとても大切な機微を問うていますが、受験生が答えやすいように記号選択式にしました。一方、問二・問七は修道らしい本格的な記述問題としました。

*社会

・受験生の出来は?

出来・不出来の差がはっきりしており、昨年に比べ平均点も10点近く下がって58点となり、60点を下回りました。

・問題の難易度・特徴は?

全体的にやや難しかったようです。昨年に引き続き新傾向の問題も出題されましたし、記述力が問われています。

・採点上の気づき・受験生の解答の特徴は?

記述問題で何が問われているかを明確に把握することが大事です。最後の公民分野にまで手が回らなかった人も目立ちました。漢字間違いも多く見受けられました。

・受験生への要望・合否のカギは?

根気よく基本に忠実な取り組みが必要です。基本的な用語については、きちんと漢字で書けるようにしましょう。新聞やニュースに触れ、現在の社会に対しても広く関心を持って下さい。文章をわかりやすく書く練習もしましょう。

・問題解説

1 きちんと勉強した人は点数が取れていましたが、不出来な人もいました。普段から地図帳を見る習慣を身につけましょう。

2 日本の古代から現代にかけた、歴史を深く理解しているかどうかを問いました。年代順に並べる問題はよくできていました。難易度は標準的でしたが、論述問題はやや難しかったようです。

3 基本的な事項とともに、現在の社会の変化をしっかりとらえているかどうかを問いました。新聞を読んだりニュースを見たり、現在の社会に興味・関心を持って下さい。よりよい社会を実現するために自分に何ができるかを考えておくことも必要です。

*C.T.

・受験生の出来は?

平均点が86.8点で、受験生は音声を正確に聞いて、解答用紙に上手に自己表現をしていました。

・問題の難易度・特徴は?

オープンスクールで事前公表していたとおり、今年度は問題の順番が途中で前後するという『ハプニング』が発生したので、焦ってしまう受験生がいたようです。

・採点上の気づき・受験生の解答の特徴は?

「正解だったはずなのに…」という惜しい解答の人が数多くいました。何事も焦らず、余裕を持って行動できるように、日頃から準備をしておくことが大切です。

・受験生への要望・合否のカギは?

今年度17回目を迎えるC.T.ですが、学習指導要領の「生きる力」につながる、情報受容能力が試される出題となっています。 保護者や先生の言うことを最後まで正確に聞いていますか? どんな状況でも的確に判断をして、行動する訓練を積んでおきましょう。自ら進んで行動するときにハプニングは起きるものです。誰かに敷いてもらったレールの上を歩いていては、ハプニングは起きません。いろんなことに挑戦をする人間になってください。

・問題解説

1 正確な判断力と、瞬発力や反射神経を問う問題でした。1+1=2 とは限りません。ハプニングにいかに冷静に、俊敏に判断できるかが得点差につながりました。

2 知っているようで知らない…でも、平等に与えられたコンディションの中で、規則性を精査し、指示や条件に沿った解答をする能力を問う問題でした。しっかりと物事を理解するためには、最後までよく読む、よく聞くことが大切です。

3 日常的な情報を素早く読み取る能力と、正確に数字を抜き出す能力を問う問題でした。社会の一員である一人の人間として、最も基本となる社会のルールやマナーを守るためにも、正確な情報の聞き取りが出来る人が得点に結びつきました。

4 正確な計算力と、図形によって表現された情報を読み取る能力を問う問題でした。世の中が数学的な規則性で成り立っていることに気がつくことの出来る問題で、様々な構造上の規則性が見いだせることに喜びを感じた人も多いはずです。

5 会話文を聞き取り、時間と場所を的確に判断する空間認識力を問う問題でした。何気ない2人の会話を、正確に、端的に記録し、その情報を表現できたかどうかで、得点に差がつきました。

*理科

・受験生の出来は?

平均点52.5点で、昨年とほぼ同じでした。できている人とそうでない人の得点差が大きく、特に大問4と大問5の出来不出来で差がついたようです。

・問題の難易度・特徴は?

計算問題は昨年度より減少したものの、思考力を問う問題や、家庭科(大問1)や算数(大問4と大問5)で学習した内容から解答する問題などがあり、ほぼ昨年と同じ難易度でした。

・採点上の気づき・受験生の解答の特徴は?

記述問題において、表現が的確でないために、せっかくわかっているのに不正解になったり減点対象となったりするような答案がありました。
グラフを描く問題に苦戦した人が多くいました。間違った人の多くはグラフを原点から描き始めていました。

・受験生への要望・合否のカギは?

問題文をよく読み、問われている内容をよく理解した上で解答しましょう。
テスト教科に限らず、小学校での学習全般にまじめに取り組むとともに、日頃から身のまわりの自然現象に関心を持つように心がけましょう。
基本問題は確実に得点することが大切です。

・問題解説

1 家庭科で学習した内容も取り込んで、生物に関する基本的な知識を問いました。ほぼ全てが知識問題なので、基本的な問題であったと言えます。

2 「水溶液の性質(中和)」について、標準的な計算問題やグラフの描画を出題しました。与えられたデータからちょうど中和するときの量関係を判断できるか、さらに、水溶液から水分を蒸発させたとき、固体が残るかどうかを理解できているかがポイントです。

3 「物質の三態」に関連した現象を、物質を構成する粒子のレベルでとらえることができるかどうかを問いました。小学校で学習した内容を、問題文に示した未習の理論(中学校・高等学校で学習)を用いて考察することができるかどうかを試したやや発展的な問題です。

4 「かぜのはたらき」について出題しました。教科書にある実験をさらに発展させた実験をとりあげることにより、現象の理解度を問うともに、日頃の学習における探求心や現象をイメージする力を問いました。

5 「かげ」について出題しました。基礎知識に関する設問に加え、発展的な内容として影の移動の速さについても問いました。問7は影の性質を理解し説明できていれば、ア・イどちらを選択してもかまいません。

*算数

・受験生の出来は?

平均点は、昨年度の51.4点(41.1%)に対し78.3点(62.6%)とアップし、一昨年度の75.8点(60.1%)とほぼ同じような結果になりました。最高得点125点(満点)、最低点0点であり、標準偏差を見ても、昨年度に比べてある程度得点分布がばらついていて、ある程度算数で差がつく形になったと思います。

・問題の難易度・特徴は?

昨年度に比べて、時間不足ということは少なかったようで、多くの受験生が最後まで解答をしていました。
従来の大問1の小問集に該当する大問1、大問2では計算問題・基本問題で算数の基礎力を問い、この部分での出来はまずまずでした。後半の大問3~5は応用問題であり、難易度の低いものから高いものへと順に配置しました。この大問3~5の出来具合で大きく差がつきました。特に、大問5の(2)(3)での得点は難しかったようです。

・採点上の気づき・受験生の解答の特徴は?

大問2の(6)は文章で記述する問題でした。採点上はまずまずの得点率でしたが、伝えたいことを整理しきれていない文章が目立ちました。読む相手の身になって意味がしっかり伝わるように書くことが、これからの学習では大切になります。
また、大問3~5は、考え方の工夫に加えて、読解力・把握力で得点の差が生じたようです。

・受験生への要望・合否のカギは?

本年度は、特に応用力を試す大問3~5の出来が、得点差を生んでいました。大問1~2のように、計算力をはじめとした基礎力をしっかり固めた上で、それを幅広く応用できるだけの思考力・判断力をきたえるよう心掛けて行きましょう。
また、これからは自分の考えを他人に説明できる力も求められます。日頃から表現力を磨きましょう。

・問題解説

1 従来の小問集から単純な計算問題だけを独立して構成し、定番の逆算問題を出題しませんでした。
意外と工夫次第で簡単に解けるもの、計算規則に沿い着実に実行すべきものなどを織り交ぜて計算力を試しました。
正確に計算できることが高得点の大前提です。

2 従来の大問1から純粋な計算題を外した文章題の小問集です。多様な範囲からの出題で、基本の理解度を測りました。
昨年の大問1に比べると、より基本的な問題の構成となりました。
最後の小問(6)は、思考力と表現力を同時に試す問題です。平均点の小数点以下の数に視点を向ける発想が正解を導き出すカギです。何をどう説明すべきなのかを考えるとよいでしょう。

3 図表を絡めた文章題で読解力と比を扱う基礎力を試しました。易しい問題と思われますが、意外と勘違いを起こす問題です。

4 折り紙を切ったり折ったりすることを考えることで、平面的・空間的な図形認識力と発想力を試しました。
(1)(2)は最後の図を1段階ずつ戻した形を考えることで確実にできるはずです。(2)は視点を変えると、最終図の面積を8倍することで求めることができます。つまり、(1)が分からなくても解けるようになっています。

5 速さ・時間という題材を扱う問題ですが、速さの比が計算を楽にするカギになります。
また、長文で、問題設定も単純ではないので、しっかりした読解力が必要です。

以上